低アレルゲンへの変換
こんにちは。
立川駅北口より徒歩6分、黄色ビルの3Fにある隠れ家茶屋
茶房 Sweet time Sweet daysの山崎です。
今回は、少し低アレルゲンについてお話させていただきます。
というのも
「低アレルゲンって何?」
「ふつうのお菓子やパンと何が違うの?」
「よく分からないからオーダーしにくいな」
と思っている方って多いんだな、と感じたからです。
また、低アレルゲン知ってるよ!という方でも、そういった菓子やパンに対してネガティブなイメージ(固い、美味しくない、ベタベタする、パサつく等など)をお持ちの方もやはり多いなと。
お菓子やパンって、卵やバターの、コクや風味がしっかり感じられるように作られているものが多いので、それらを使用しないとなると、味や食感が期待しているものと違って、がっかりしてしまうんですよね。
でも、全く同じでなくても、違う風味を引き出したり、補って美味しく作ることは十分できます。
さて、上で少し触れていますが、低アレルゲンとは『アレルギーを起こす原因となる、特定の食品を除外してある食べ物』のことを言います。
当店のメニューの場合では、主に卵と乳製品を除外しています。
小麦のアレルギーをお持ちの方もいらっしゃるかとは思いますが、基本的には使用しておりますので、米粉に変えて欲しいんだけど……という場合は、あらかじめお問合せや、ご連絡をいただければと思います。
お店では、卵、乳を使用したもの、使用しないものの両方をお出ししているメニューは、クッキー、スコーン、シフォンケーキ、パウンドケーキ、パンです。
これらのレシピは、まず通常の菓子やパンを、参考とするレシピ通りに一度作り、そこから足し算や引き算などして試作し、その後、低アレルゲンの菓子やパンへと変換しております。
理由としては、できるだけ同じように楽しんでいただきたいから、という思いからです。
とは言っても、そのまま置き換えると固くなったり、ベタベタしたり、風味が薄く、アクの強いだけのものになってしまうことが多いです。
「食べられれば良い、ではなく、美味しいから食べたい」にするにはどうしたら良いのか。
ない風味を無理やり、ではなく、素材の持つ風味や旨味を引き出し、お菓子として求める味わいを考えました。
まず低アレルゲンへの変換として、油分(バター等)は植物性油や豆乳バターへ。牛乳や卵は豆乳へ。というのが基本となります。
ここで第一の難問、風味。
豆乳も美味しいですが、卵や牛乳、バターのコク、ミルキーさとは違います。
そして、油は冷凍したとしても液体のまま。バターとの油分量も違うので計算も必要。豆乳バターは最近使いだしたのですが、作業性がアップした上、油分量の調整がいらないので重宝しております。
そこで、風味の問題。
お店では低アレルゲンの菓子には基本的に全粒粉を使用しています。小麦をふすまごとひいてあるので、小麦の良い風味、甘さが引き出せます。
そして、卵黄はアーモンドプードルと豆乳や100パーセントジュース、リキュール等へ。卵黄は50パーセントが油分、50パーセントが水分です。で、アーモンドプードルも50パーセント油分を含んでいます。足らない水分は豆乳等で。
アーモンドプードルとは、アーモンドを粉状にしたもので、ナッツの風味とコクがお菓子らしさを運んでくれます。水分としてオレンジリキュールやジュースを使うと、ナッツの渋味とマッチして良い風味になります。
でもね、家庭で、たまにで作ってみようかな、って時に1から準備するの大変だし、お値段かかっちゃいます。ので、レシピをお伝えする際には、手に入りやすく、作りやすい分量でお伝えしております。
では、補えなかった風味は?? その時は、トッピングでゴマやナッツ、ドライフルーツ、スパイス等を。とアレンジを楽しめます♪
長くなってきてしまいましたが、当店でコーヒーや紅茶にお付けしているクッキーの材料を書いて締めくくろうかと思います。
詳しい作り方等はまた後日。
クッキー(卵、乳使用)
直径3㎝、厚さ5mm 40枚程度
低アレルゲンクッキー(卵、乳不使用)
直径3㎝、厚さ5mm 40枚程度
*110gだと少し固め、ザクザクした歯ごたえ。軽め、サクサクの場合は100g
*植物油の場合 40g、豆乳 10g
作り方、なくても分かるよって方は作ってみてください☆
ちなみに、バターは冷やして固形で粉に混ぜるサブラージュ法で作っております(通常より20~40パーセント油分が少ないので、サクサク感をアップさせるため)。
次のアップ、いつになるかは……ですが、上の材料での作り方や、低アレルゲンでの家庭での入手、作りやすい置き換えをお伝えできたらと考えております。
Posted - 2021.8.25 Wed